システムバスと在来工法(タイル)のお風呂の防水リフォーム工事のポイント
庭野 亜優
システムバスと在来工法のお風呂では、お風呂の施工方法や防水性能などが大きく異なるため、リフォームを行う際にはそれぞれに合った方法で行わなければなりません。
今回の記事では、システムバスと在来工法(タイル)のお風呂の防水リフォーム工事のポイントを解説します。
お風呂のリフォームを検討している方、お風呂場でトラブルが発生して困っている方などは、ぜひ参考にしてみてください。
1.システムバスと在来工法(タイル)のお風呂の違いについて
システムバスとは
システムバスは、ユニットバスとも言われており、各パーツを工場で生産して現場で組み立てる工法で、設置のしやすさや防水性能の高さから近年はこの工法を採用する住宅が多いです。
壁と床が一体化しているため、隙間が少ないので水漏れのリスクが低く、在来工法と違って、防水工事が要らないお風呂の施工方法となっています。
在来工法(タイル)
在来工法のお風呂は、防水工事を行ってから壁や床をタイルで敷き詰める工法で、隙間ができてしまうため、しっかりと防水対策を行わなければなりません。
メンテナンスは少し手間がかかりますが、細かいところまで自分好みにカスタマイズできるので、こだわりのお風呂場にしやすいのが特徴です。
2.システムバスと在来工法のお風呂ではリフォーム時の防水工事が異なる
システムバスと在来工法のお風呂では、リフォーム時に防水工事の方法が大きく異なります。
システムバスは、壁と床が一体になっていて隙間がないので防水工事が必要ありません。
しかし、在来工法のお風呂の壁と床は一体化していないため、お風呂は防水性能が低く、防水工事によってしっかりと防水効果を持たせないと水漏れのリスクが高くなってしまいます。
また、防水効果を持たせても経年劣化により防水効果が次第に薄れてしまうため、注意が必要です。
システムバスよりも在来工法のお風呂は水漏れリスクが高いということを理解した上でリフォーム・防水工事を行うようにしましょう。
3.お風呂で使われる防水工事の種類と耐用年数について
在来工法のお風呂で使われる防水工事の種類は、3つあります。
それぞれどのような特徴を持っている防水工事なのかお伝えします。
・シート防水
シート防水は、防水効果のある塩化ビニールシートを壁や床に接着剤で貼って施工をする方法で、工期が短く耐用年数が10~20年と長いのが特徴です。
耐用年数が長くタイルとの相性が良いことから在来工法のお風呂の防水工事に適しています。
・ウレタン防水
ウレタン防水は、液状のウレタンを塗って防水効果を持たせる工法です。
ウレタン液を乾燥させなければならないのでシート防水工事よりも工期が長くなりがちで、10日かかることもあります。
液状なので、施工しにくい複雑な形状の場所でも施工できるのが特徴です。
耐用年数は10年前後と他の防水工事よりも短いので、メンテナンスの頻度が高くなることを留意しておきましょう。
・FRP防水
FRP防水は、強化繊維プラスチックを施工する防水工事の方法です。
ウレタンよりも早く乾くので工期が短く、1~2日で工事を完了させることができます。
軽量かつ耐久性に優れており、耐用年数は10~12年とウレタン防水よりも長めなので、コストパフォーマンスに優れている防水工事と言えるでしょう。
4.お風呂をリフォームする時の防水工事のポイントは?
お風呂をリフォームする時のポイントを考えうる場面別に紹介します。
・在来工法のお風呂をシステムバスにリフォームする場合
在来工法のお風呂をシステムバスにリフォームする場合、タイルやコンクリートを解体してからシステムバスを導入します。
解体して基礎が腐ってしまっている場合には、その補修を行った上でリフォームを行わなければなりませんので、その場合には工事費用が追加で発生する可能性もあります。
・在来工法の既存のお風呂を在来工法の新しいお風呂にリフォームする場合
在来工法のお風呂を在来工法のお風呂にリフォームする場合は、経年劣化により防水効果が薄れてしまっているため、防水工事を再度行う必要があります。
防水工事をせずにリフォームしてしまうと、「リフォームしたのに水漏れしてしまった」という事態になりかねません。
また、水漏れが発生してしまった場合、そこから浴室が錆びてしまったり水道管が劣化してしまったりなどしてしまう可能性があります。
そのような事態に陥らないようにするためにも、お風呂をリフォームする際には防水工事行い、壁や床をシート防水で防水性を高めたからタイルを施工します。
お風呂をリフォームせずに10年以上使用している場合には、必ず防水工事を行う必要があります。
シート防水なら、10~20年防水効果があるので、メンテナンスの頻度を少なくすることができるでしょう。
・既存のシステムバスを新しいシステムバスにリフォームする場合
既存のシステムバスを新しいシステムバスにリフォームする場合は、防水工事は必要ないので、お風呂のリフォームのみを行いましょう。
・システムバスから在来工法のお風呂にリフォームする場合
システムバスから在来工法のお風呂にリフォームする場合は、耐用年数が長いシート防水工事を行うようにしましょう。
システムバスよりも水漏れのリスクが高い在来工法のお風呂で安心して過ごすために必要な工程です。
5.これって水漏れかも?水漏れの発見方法と対策方法は?
お風呂で水漏れしてしまうと、異臭や浴室の錆び、水道管などの劣化につながってしまいます。
また、2階にお風呂がある場合には1階の天井へ水漏れしてしまう危険性もありますので、浴室の壁や床に亀裂を発見したら、すぐに補修を専門業者に依頼しましょう
また、床が剥がれていたり穴が空いてしまっていたりする場合にも、早めにお風呂の防水工事が必要です。
一軒家の場合には、周りの家庭に迷惑をかける心配は低いですが、マンションなどにお住まいの場合には注意が必要です。
賃貸マンションでは、住人の故意の過失でお風呂から水漏れしてしまった場合、修理費用を支払わなければなりません。
お風呂の設備の老朽化が原因の場合には、大家さんもしくは管理会社が責任を取ることとなります。
さらに、分譲マンションでは、故意ではなくても本人の責任となるため修理費用を支払う必要があります。
被害が大きくなればなるほど、修理費用が高くなってしまうため、水漏れの症状を発見したら早めに点検・工事を依頼しましょう。
6.まとめ
システムバスと在来工法(タイル)のお風呂では、適切なお風呂のリフォーム工事の方法が異なります。
システムバスは壁と床が一体になっているので防水効果があり、防水工事は必要ありません。
しかし、在来工法のタイルのお風呂は壁と床が一体化しているわけではないため、防水工事をしてからタイルを施工する必要があります。
水漏れのリスクを下げるためにも、在来工法のお風呂には耐用年数が長いシート防水がおすすめです。
在来工法へリフォームする場合には、しっかりと防水工事を行ってお風呂のリフォームをしてみてください。
また、浴室内でタイルのひび割れなどの症状が確認できた時は、決して放置せずに、まずは浴室改修リフォーム実績が豊富なミヤケンまでご相談ください!
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