ユニットバスと在来工法(タイル)のお風呂の防水リフォーム工事のポイント
庭野 亜優
ユニットバスと在来工法のお風呂では、施工方法や防水性能などが大きく異なります。
そのため、リフォーム工事の際にはどちらのお風呂なのかによって適切なリフォームを行わなければなりません。
しかし、どのようにお風呂の防水リフォーム工事を行えば良いの分かりませんよね?
そこで今回の記事では、ユニットバスと在来工法(タイル)のお風呂の防水リフォーム工事のポイントを解説します。
お風呂のリフォームを検討している方やお風呂場で水漏れが発生している方などは、ぜひ参考にしてみてください。
ユニットバスと在来工法(タイル)のお風呂の違いについて
ユニットバスとは、各パーツを工場で生産して現場で組み立てる工法で造られるお風呂のことを言います。
設置のしやすさや防水性能の高さから、近年はこの工法を採用する住宅が多く見られます。
壁と床が一体化しており、隙間が少ないので水漏れのリスクが低く断熱性が高いのが特徴です。
在来工法と違って、防水工事が要らない施工方法となっています。
在来工法のお風呂は、防水工事を行ってから壁や床をタイルで敷き詰める工法です。
細かいところまで自分好みにカスタマイズできるので、こだわりのお風呂場にしやすいのが特徴です。
しかし、タイルなどを一枚一枚手作業で並べていく方法なので隙間ができてしまうため、しっかりと防水対策を行わなければなりません。
また、経年劣化によっても水漏れのリスクが高い工法です。
ユニットバスと在来工法のお風呂ではリフォーム時の防水工事が異なる
ユニットバスと在来工法のお風呂では、リフォーム時の防水工事の方法が大きく異なります。
ユニットバスは壁と床が一体となっているため、防水工事が必要ありません。
しかし、在来工法のお風呂の壁と床は一体化していないので、在来工法のお風呂は防水性能が低く、防水工事によってしっかりと防水効果を持たせないと水漏れのリスクが高くなります。
また、防水効果を持たせても経年劣化により効果が次第に薄れるため、注意が必要です。
ユニットバスよりも在来工法のお風呂の方が水漏れリスクが高いということを理解した上で、リフォーム・防水工事を行うことが大切です。
お風呂で使われる防水工事の種類と耐用年数について
在来工法のお風呂で使われる防水工事には、3つの種類があります。この章では、それぞれの特徴を解説させていただきます。
シート防水
シート防水は、防水効果のある塩化ビニールシートを壁や床に接着剤で貼る方法です。
工期が短く、耐用年数が10~20年と長いのが特徴です。
また、耐用年数が長くタイルとの相性が良いことから、在来工法のお風呂の防水工事を行う場合にオススメの防水方法となります。
ウレタン防水
ウレタン防水は、液状のウレタンを塗って防水効果を持たせる工法です。
液を乾燥させる必要があるため工期が長くなることが多く、10日かかることもあります。
ウレタン防水は液状材料を使用する工法なので、施工しにくい複雑な形状の場所でも施工できるのが特徴です。
耐用年数は10年前後と他の防水工事よりも短いので、メンテナンスの頻度が高くなります。
FRP防水
FRP防水は、強化繊維プラスチックを施工する防水工事の方法です。ウレタンよりも早く乾くため工期が短く、1~2日で工事が完了します。
軽量かつ耐久性に優れており、さらに耐用年数は10~12年とウレタン防水よりも長いことが特徴です。
お風呂をリフォームする時の防水工事のポイント
この章では、お風呂をリフォームする時のポイントを、パターン別に紹介します。
在来工法のお風呂をシステムバスにリフォームする場合
在来工法のお風呂をユニットバスにリフォームする場合、タイルやコンクリートを解体してユニットバスを設置します。
解体して基礎が腐っている場合には、その補修を行った上でリフォームを行わなければなりません。
ユニットバスは防水工事が必要ありませんが、ハーフユニットバスにする場合には防水工事が必要となることもあります。
在来工法の既存のお風呂を在来工法の新しいお風呂にリフォームする場合
在来工法のお風呂を在来工法のお風呂にリフォームする場合は、経年劣化により防水効果が薄れているため、防水工事をやり直さなければなりません。
防水工事をせずにリフォームしてしまうと、「リフォームしたのに水漏れしてしまった」という事態になりかねません。
水漏れした場合、浴室が錆びたり水道管が劣化したりする可能性があります。
ですのでそうならないように、防水工事をやり直して壁や床をシート防水で防水性を持たせ、その上からタイルを施工します。
防水工事をやり直すで水漏れのリスクが下がるため、お風呂をリフォームせずに10年以上使用している場合には、必ず防水工事を行いましょう。
シート防水なら10~20年防水効果があるので、メンテナンスの頻度が少なく済みます。
既存のユニットバスを新しいユニットバスにリフォームする場合
ユニットバスから、ユニットバスに交換するときは、バスルームを丸ごと交換するリフォームになるので、防水工事は不要となります。
ユニットバスから在来工法のお風呂にリフォームする場合
ユニットバスから在来工法のお風呂にリフォームする場合は、シート防水での防水工事がおすすめです。
シート防水は工期が短く、耐用年数が10~20年と長いです。
そのため、ユニットバスよりも水漏れのリスクが高い在来工法のお風呂で安心できる防水方法と言えます。
システムバスを撤去し、その上からシート防水を行います。その上からタイルを敷き詰めてリフォームを行いましょう。
これって水漏れかも?水漏れの発見方法と対策方法
お風呂で水漏れが発生すると、異臭や浴室の錆び、水道管などの劣化につながります。
また、2階にお風呂がある場合には1階の天井に水漏れしてしまう危険性もあるので、浴室の壁や床に亀裂が入っているのを発見したら、すぐに補修を依頼しましょう。
また、床が剥がれていたり穴が空いていたりする場合にも、早めに防水工事が必要です。
一軒家の場合には周りの家庭に迷惑をかける心配は少ないですが、マンションなどの場合には注意が必要です。
特に、賃貸マンションでは、住人の故意や過失で水漏れが発生した場合、修理費用を支払わなければなりません。
反対に、設備の老朽化が原因の場合には、大家さんや管理会社がリフォームすることとなります。
また、分譲マンションでは、故意ではなくても本人の責任となるため修理費用を支払う必要があります。
被害が大きくなるほど修理費用が高くなるため、水漏れの症状を発見したら早めに点検・工事を依頼しましょう。
そうすることで、被害を最小限に抑えながら防水リフォーム工事ができます。
まとめ
ユニットバスと在来工法(タイル)のお風呂では、適切なリフォーム工事の方法が異なります。
ユニットバスは壁と床が一体になっているため防水効果があり、防水工事は必要ありません。
しかし、在来工法のタイルのお風呂は壁と床が一体化していないため、防水工事をしてからタイルを施工する必要があります。
水漏れのリスクを下げるためにも、在来工法のお風呂には耐用年数が長いシート防水がおすすめです。
在来工法へのリフォームの場合には、しっかりと防水工事を行ってリフォームを進めましょう!
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